トレーニングに関する守破離

マシンジムに行くと

「なんだあの人の使い方!」 「わぁーお!!すんごい変!!」  「あれ?後ろ前、逆やん。」

と言うのをちょこちょこ見かけると思います。

 

マシン・スタジオインストラクターになりたての頃、こういった光景を見ると

「これは、こうなんですよ!」

と、なんの疑問も持たずにお話していました。

いま思い出すと、少し恥ずかしい。スタジオレッスンもそうだっただろうな。

相手の方は、微笑ましく聞いてくださっていたんだろうなと思います。なんかマニュアルに凝り固まっていましたね。

 

仕事は10年しないと、本当の事が分からない。とは言われていましたが、それくらい時間をかけないと分からない、気が付かない部分が多かったです。

でも、10年を漠然と過ごしていれば、分からないし気が付かないとと思います。

 

僕のトレーニングの場合ですが、ひたすら鍛える事に必死になって、時間をかけて、筋肉痛になって。自己満足で少し身体もかわってきて(いる気になっていましたし)、そこで思考回路は止まっている時もありました。

 

そこに、ある日突然、僕よりももっといい体をした子がアルバイトに入ってくるんです。

こっちはひたすら、トレーニングしてたのに。負けるわけにはいくか!!(なんて安易な考え)

的に頑張るんですが。

身体は一切変わらない。

なんで?こんなにしてるのに?

 

という発想から、自分で勉強し、身体をつかった研究が始まります。

 

あれ?これ、脇しまってない方が効いてるぞ?

これ、こうしたらもっと効いてくるな。重さもこれが一番、やりがいあるし、腕がパンパンになるわ。

 

という試行錯誤がひたすらやってくるんです。

また、自分よりトレーニング上級者に話を聞くと、本当にいろんな発想を教えてもらえます。「はあー、なるほど。それは気が付かんかったわ。むちゃくちゃしんどいし」

そうやって、自分のオリジナルのトレーニングが作られていきます。

守破離

を地でいくようになるんです。

この境地になってからは、インストラクションの仕方が

「こうしたかったら、このフォームで。ここが気になる人は、こうしてくださいねー。」

といったものに変わっていきました。マシンの使用説明も同じですね。

目的によって、シートに向かって座ったり、動きが変わったり、頭の中の思考回路をかえてもらったり。

 

上級者のトレーニングを教えて頂くと、本当にオリジナルがおおくて凄くて。コンテストに出る人間は、ほんとにみなオリジナル法ばっかりなんじゃないでしょうか。

ただ、ちゃんと知って欲しいのは

「基礎は大事」

という事です。

 

今は、守破離の部分の 破 と 離 ばかりが重視されている気がします。

とくに、子供の習い事。

「嫌になるかも知れないから、楽しくまずは覚えましょう」

「まずは楽しさを知って。のびのびとスポーツしましょう」

これは、ぼくどうしても賛同できなくて。

発想は人それぞれだし、スポーツを強制するつもりもないです。

 

ただ、「基礎」をしっかりと知り、「守る」事を覚えないと、将来困るのは子供です。

小さい時だからこそ、「基礎」を知らなければ、そのスポーツで使われる神経系の発達に影響を及ぼします。

将来の伸びしろを奪うようなことになりかねません。

もっと成長して、筋力の差や体格の違いを知り、そこから自分はどう戦っていくのか。

という 破 離 が始まると思っています。

 

何も固まっていないのに、無責任に「好きにさせる」と、もうオリジナルの動きになってしまい、基礎から離れていってしまうのです。

ここは厳しくして恐がられようとも、スポーツを教える側の責任ではないでしょうか。

 

武道やトレーニングの世界ではこんなことはありえません。まずは基礎種目に基礎筋力。

突然、上級の動きなんかできるわけないし、その動きに身体がついてこれなくて怪我をする。これは誰でもわかる事です。

怪我から身体を守る為にも、基礎の筋力トレーニングは役に立ちますので、小学校からでも出来るトレーニングはしておきましょう。

 

 

 

 

 

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